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  • 執筆者の写真えらぶ島づくり事業協同組合

デジタルとアナログの二刀流こそ




【フリーランス農家】小葉松真里

夏はおもに北海道、冬は茨城県や沖縄県の島へと農作業をしに向かう−。

全国各地の農家を手伝いながら、生産現場から情報を届けてきた小葉松さんに、これまでの体験や実践を踏まえて、農家から発信する意義を語ってもらいました。


わたしは2019年より、土地を所有しない農業スタイルの「フリーランス農家」として、農繁期に拠点を移動して全国のいろいろな農家を見てきた。

農業現場には農業の人材・担い手不足、資材費の高騰、市場における農産物価格の不安定さなど、さまざまな課題がある、その解決の方法の一つとして、消費者からも農業への興味や理解を得ることが必要なのではないだろうか。

 その方法としてSNSなどを活用し、消費者にデジタルで伝えること。現場に来てもらい、体験などをとおしてアナログで伝えることの2つが必要であると考える。

 私が巡ってきた農家のうち、SNSを活用している方を一人紹介したい。沖縄県今帰仁村の農業インスタグラマーである上間瑞穂さん(Instagram:kariyushi.suika)だ。「かりゆしすいか」という農場のブランドを立ち上げてSNSde1玉5500〜6500円のスイカを販売している。SNSでは、スイカの0土作りから藩種作業、収穫に至るまでの日々の農作業の様子や上間さん自身の日常を毎日投稿している。そうした投稿を続け、現在ではフォロワー数が1万4000人。収穫時期にSNSでスイカの販売を告知すると、24時間以内にスイカが完売するという。

 生産の過程や生産者の人柄をフォロワーに発信し続けることで、価格にたいする理解を得られるだけでなく、「この生産者を応援したい」「この人から買いたい」と、フォロワーがファンになる。ファンが生まれることで、自分の農園のブランドで販売できるようになり、市場に左右されずに価格を決定することができるようになる。


生産現場の当然は、消費者の新鮮


一方で、農業体験などで実際に消費者に現場に来てもらい、自身の農業や地域のリアルを知ってもらうアナログな方法も必要だと感じる。

 わたしは過去に北海道岩見沢市で農泊体験ツアーを実施したことがある。3泊4日の滞在のあいだ、農作業をしながら地域の人々と交流することで、若い世代に農業や地域を知ってもらうことを狙い、企画したものだ。

 そのツアーがきっかけで農業に興味を持ち、農業バイトに訪れる人や、移住する人も出てきた。それだけではなく、直接農業現場で生産者の思いを聞くことで「こんなに手間がかかるものだと知らなかった」「こんどからはここの地域の農産物を買う」と、生産過程を知ることになり、地域の農産物を買う」と、生産過程を知ることになり、地域の農産物を買うきっかけにもつながった。いきなり長期の農業バイトに挑戦するのはハードルが高い。まずは体験のかたちで農業と関わってもらい、農業の関係人口をつくっていくことがたいせつではないだろうか。体験の参加者が農繁期に援農に来てくれたり、地域のの0胡散物のファンになってくれたりと、深いつながりに発展する可能性がある。生産現場にとって当たり前のことは、消費者にとっては真新しいことなのだ。

 このようにデジタルとアナログを用い、できるだけたくさんの生産現場のリアルを発信し、消費者に伝えていくことで、農産物の価値や生産現場にたいする理解を得ていけば、農業現場が抱える課題の解決や、新たな可能性を開く方法へとつながっていくのではないだろうか。

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